モンサント・カンパニーのトウモロコシ製品は、マウスの生殖能力を低下させるのか

2008年11月11日、オーストリア連邦厚生家族青少年省(Austrian Federal Ministry for Health, Family and Youth)は、遺伝子組み換えトウモロコシがマウスの生殖に及ぼす影響を評価した、3つの研究に関するレポートを公表しました。

これら3つの研究のうち、一件は遺伝子組み換えトウモロコシが影響を及ぼす可能性を示し、同研究の執筆者のひとりであるゼンテック博士(Dr. Zentek)は、試験結果を要約した際、「遺伝子組み換えトウモロコシを給餌したマウスは、第3世代および第4世代において産仔数が減少し、その差が統計的に有意であった。遺伝子組み換えを行なっていないトウモロコシを給餌したマウスの方が、繁殖効率がより高かった」と述べました。また、試験を行なった遺伝子組み換えトウモロコシはMON 810(Bt/害虫抵抗性)、NK 603(ラウンドアップ・レディー®除草剤耐性)の両方の形質を含んでいました。

しかし公表時点においては、査読資格を有する科学専門家たちによるレビューがまだ行なわれていませんでした。また、ゼンテック博士は発表の途中、同研究の試験結果は一貫性に欠ける部分があるため、予備的なものとして捉えるべきであるとコメントしています。

予備的な性質の研究結果であった上に、研究執筆者自身がその点を注意喚起したにも関わらず、グリーンピース(Greenpeace)と食品安全センター(Center for Food Safety)の両者は、レポートの発表後24時間も経たないうちにプレス発表を行ない、遺伝子組み換え作物・食品の規制について、即時かつ大幅な変更を求めました。このような要求は、健全な科学という視点からも常識から言っても受け入れられないものです。グリーンピースと食品安全センターは従来にも、予備研究のデータが遺伝子組み換え作物の問題の可能性を示唆した際、大騒ぎをしてきた、オオカミ少年じみた前歴があります。しかしいずれの場合も、その後の精査を通じて、遺伝子組み換え作物・食品の安全性が確認されました。

オーストリアで発表された予備的な研究結果に基づいて何らかの結論を下すのは、責任ある行動とはいえません。とりわけ、科学的証拠の大半がこれらの製品がマウスの生殖に何の影響も及ぼさない事を示している以上、なおさらの事です。これらの製品については、これまでも生殖毒性試験が行われています。その試験結果の中には、悪影響を及ぼすことを裏付けた結果はひとつもありません。世界中の20以上もの規制機関が、MON 810、NK 603、そして両方の形質を備えたスタック(掛け合わせ)製品について、従来のトウモロコシと同様に安全であると判断しています。

モンサント・カンパニーの要請に応じて、国際的に認められた生殖毒性学の専門家2人がオンライン上に掲載されたレポートの査読を行ないました:

  • ジョン・デセッソ博士(Dr. John DeSesso)、非営利団体ノブリス(Noblis)上級研究員(Senior Fellow)および『生殖毒物学(Reproductive Toxicology)』誌編集委員。
  • ジェームス・ラム博士(Dr. James Lamb)、現在はワインバーグ・グループ(The Weinberg Group)に所属。ラム博士は、米国保健社会福祉省の国家毒性プログラム(U.S. Department of Health and Human Services, National Toxicology Program)に携わっているとき、オーストリアの研究者が用いたタイプの試験方法を開発した人物です。

ラム博士、デセッソ博士はともに、1)研究の報告内容および分析には不備があることから、結果の妥当性に重大な疑問が生じている、2)当該の研究結果からは、生殖能力に悪影響を及ぼしているという結論を導き出すことはできない、と結論付けています。モンサント・カンパニーの科学者による精査も、同じ結論に達しています。

モンサント・カンパニーは、さらなる議論が科学界で進むことを期待しています。弊社はこの研究について徹底的な科学的精査が行なわれれば、最終的に遺伝子組み換え作物・食品の安全性について、さらに強固に証明されると確信しています。。

最新情報:欧州食品安全機関(EFSA ; European Food Safety Authority)遺伝子組み換え生物パネル(Scientific Panel on Genetically Modified Organisms)が12月3日から4日にかけてこの試験を精査したところ、同パネルは「発表されたデータを検討した結果、同レポートから何らかの結論を引き出すことはできないと考える」と結論付けました。

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最終更新日:2009年7月13日