映画「遺伝子組み換えルーレット」について

2012年に米国で公開されたドキュメンタリー映画「Genetic Roulette: Gamble of Our Lives (遺伝子組み換えルーレット)」にて制作者が主張しているいくつかのポイントについて、以下にモンサント・カンパニーの見解をご紹介します。

 

遺伝子組み換え操作は、異なる生物の遺伝子を組み換え、その過程でDNA全体に突然変異が起きてアレルゲンや毒素をなどを作り出す

非意図的な変化が起きたものは、選抜の過程で排除され、商品化されることはありません。国際基準によって安全性評価が確立されており、遺伝子が導入された塩基配列周辺から有害タンパク質を含め意図しないタンパク質が産生されないこと、アレルゲンのような有害物質が作られていないことが確認されたものしか商品化されていません。

遺伝子組み換えは消化不良、アレルギー、糖尿病、自己免疫疾患、がん、アルツハイマー、腎臓病、甲状腺病、心臓発作などの原因になり得る

全米科学アカデミー、全米技術アカデミー、全米医学研究所は2016年5月17日、GM作物の安全性に関する報告書で、安全性を再確認する結論を発表しました。約900におよぶ試験や研究論文を厳密に検証し、20人以上の科学者、研究者、農業関係者からなる専門家が2年がかりで動物実験結果、アレルギー性についての研究結果に加え、北米およびヨーロッパのヒトの健康に関するデータを精査してきました。この安全性はGM作物が栽培されてきた20年以上にわたり蓄積されたデータによる裏付けがあります。全米科学アカデミー、全米技術アカデミー、全米医学研究所による報告書の結論の概要は以下通りです。

  • 商業栽培されているGM作物と従来作物の間でヒトの健康リスクに差があるという裏付けのある証拠は認めらない
  • GM作物が、自閉症、肥満、がん、胃腸や腎臓の疾患またはアレルギーなどの健康被害となる証拠は認められない。

遺伝仕組み換えBtトウモロコシが作りだす殺虫剤は、ヒトの腸に穴をあけることがある。それがアレルギーや自閉症、早期老化、自己免疫性疾患、がん、ぜんそく、アルツハイマー、パーキンソン病につながると専門家が言う

虫の腸はアルカリ性ですが、ヒトの胃は酸性であるためBt タンパクは消化されますし、Btタンパクが結合するレセプターがヒトの腸にはありません。Btタンパクがヒトに対して活性を示したというデータは存在しません。Btが原因でヒトでリーキーガットが起こるとは考えられませんし、それを示すデータも確認されておりません。

大半のGM作物は除草剤ラウンドアップに耐性をもちます。ラウンドアップは栄養を奪うため、動植物や人間にも栄養不良をもたらす

グリホサートが植物を枯らすメカニズムは、全植物がもっている特定のアミノ酸を作りだす経路をグリホサートが止めるためです。この経路は「シキミ酸合成経路」というもので、植物はすべてこのアミノ酸を作り出す経路を持っています。しかし、動物や人間にはこのアミノ酸を作り出す能力がもともとなく、この経路自体を持っていません。植物にグリホサートを散布すると、「シキミ酸合成経路」がせき止められ、この経路から本来作り出されるはずの「芳香族アミノ酸」が植物の体内で作れなくなります。生きていくために必要なたんぱく質などが作れなくなるので、植物は枯れます。しかし、植物の栄養を奪うという事実はなく、遺伝子組換え作物と通常の作物間で栄養素に違いがないことも確認しています。このため人間や動物がその植物を摂取して栄養不良になることもありません。

ラウンドアップは出生・生殖異常を引き起こす

世界各国の規制当局や専門家は、グリホサートがヒトの生殖に有害作用を及ぼしたり、グリホサートに暴露したヒトの子孫の先天性異常の原因になったりしないという点で一致しています。同様に、著名な毒性学者の国際的な委員会も、ラウンドアップ®ブランド除草剤の表示どおりの使用は、「ヒトおよびその他の哺乳類の発達、生殖、内分泌系に有害作用を及ぼさない」という結論に達しています。

ラウンドアップは不妊にもつながる

グリホサートが不妊症の原因になると書かれている研究結果は、グリホサート製剤が精巣から採られた細胞に与える影響を調べたものです。試験管の中の無防備な細胞というのは、どのような物質を与えても傷ついてしまうという当たり前の事実を無視したものです。実験室のペトリ皿で行われた実験は、必ずしも生きた動物にあてはめることは出来ませんし、実際にヒトに及ぼすリスクを把握するには十分ではありません。更に、グリホサートの製剤には界面活性剤(洗剤)が含まれており、これは家庭で使われる洗剤やパーソナルケア製品(例えば入浴剤や手洗い石鹸、シャンプー、洗濯用や食器用洗剤など)に入っている洗剤成分と同様なものですから、細胞膜に影響を与えたとしても驚くには値しません。細胞膜には脂質が含まれ(油脂のようなもの)、洗剤は油脂を洗い落とすように作られていますから、そのような洗剤を細胞に直接触れさせれば、細胞は壊れてしまいます。

別の視点からみれば、私たちは、普段から界面活性剤に触れていて、細胞膜を壊す作用のある食器用洗剤の残さ(洗い残し)を、調理器具や皿、ガラスコップなどを通して摂取しています。シャンプーで髪を洗っても平気ですし、それによって不妊症になることはありません。