エージェントオレンジ(枯れ葉剤)

エージェントオレンジ(枯れ葉剤):モンサント・カンパニーの関与の背景

モンサント・カンパニーは、戦場に派遣された米軍兵士をはじめ、ベトナム紛争により影響を受けた全ての人々に対し、深い敬意を払っています。私たちの歴史に刻まれたあの困難な時代には、敗者も勝者も誰もが大きな痛みを強いられました。あの戦争が残した遺産の一つに、40年を経た今もいまだ議論が残る、エージェントオレンジ(枯れ葉剤)があります。

米軍は1961年から1971年にかけて、枯れ葉剤を使用しました。ベトナムのジャングルに生い茂る植物を枯らすことにより、敵軍の待ち伏せに遭う危険性を減らし、米国および同盟国の兵士の生命を救うことを目的としていました。

ベトナム戦争が始まり激化していくと、米国政府は、米軍および同盟軍が使用する枯れ葉剤やその他の除草剤入手のため、国防生産法(Defense Production Act)に基づく権限を行使し、大手7社の化学品メーカーと契約を結びました。枯れ葉剤の化学的な組成だけでなく、現地での散布量、いつ、どこで、どのように枯れ葉剤を用いるのかは全て政府が決定しました。エージェントオレンジとして知られる枯れ葉剤は、ベトナム戦争中に軍事目的で使用された15種類の除草剤の中の一つであり、最も広く使用されたものです。その呼び名は、枯葉剤の容器に巻かれていたオレンジ色の帯に由来します。

枯れ葉剤を製造していたのは、ダイヤモンド・シャムロック・コーポレーション(Diamond Shamrock Corporation)、ダウ・ケミカル・カンパニー(Dow Chemical Company)、ハーキュリーズ社(Hercules, Inc)、T-Hアグリカルチュラル・ニュートリション・カンパニー(T-H Agricultural & Nutrition Company)、トムソン・ケミカルズ・コーポレーション(Thompson Chemicals Corporation)、ユニロイヤル社(Uniroyal Inc.)、そして当時は化学品メーカーであったモンサント・カンパニーの7社です。モンサント・カンパニーは1965年から1969年にかけて枯れ葉剤を製造しました。

枯れ葉剤は2,4-Dおよび2,4,5-Tという、二種類の一般的な除草剤を50:50の割合で混ぜたものです。これらの除草剤は1940年代以降、米国内の農業生産者、鉄道会社などにおいて、問題なく利用されていました。しかしベトナム戦争以後、枯れ葉剤の中に微量に含まれていたダイオキシン化合物、2,3,7,8-TCDDに対して、科学的および社会的側面から懸念が高まりました。TCDDは、2,4,5-T(前述の通り枯れ葉剤に含まれる除草剤の一つ)の生産過程で発生する副産物です。枯れ葉剤を巡る議論については、以後何十年にもわたり研究が重ねられ、現在も続けられています。

多数の訴訟も起されました。1984年、モンサント・カンパニーおよび他の6社の化学メーカーは、ニューヨーク州東部地区の連邦地裁で起された集団訴訟において、米国の退役軍人ら原告との合意に達しました。この訴訟には何百万人という米国退役軍人とその家族が関与しています。化学品メーカーによる過失は認められませんでしたが、長く複雑な裁判の結果、両者間で和解が成立しました。合意の一環として1億8,000万ドル(当時の為替レートで約432億円(1ドル=240円))の基金が和解書に基づいて計画的に分配されました。この和解書の立案には、米連邦地裁のジャック・B・ワインスタイン(Jack B. Weinstein)判事が加わっています。

その後も訴訟が起こりましたが、2009年3月にひとつの重要な法的決定がなされました。枯れ葉剤に関して化学品メーカーの賠償責任を認めないとする下級裁判所の満場一致の判決を、最高裁が支持したのです。化学品メーカーは、政府との契約の下で政府による指示を実施したのであり、米軍がベトナムで枯れ葉剤を使用した事実とその影響に関しては化学品メーカーに責任はない、との結論が最高裁により示されたのです。

モンサント・カンパニーは、現在は主に農作物の種子、および農業関連製品を生産する企業です。

当社は、枯れ葉剤の使用も含めて、ベトナム戦争により発生したとされる様々な問題について、戦争に関与した各国政府によって解決されるべき問題と考えています。

2009年5月、米議会調査部(Congressional Research Service)がこの問題について詳細な検討を行っています。報告の内容は下記のサイトでご覧になれます。 www.vn-agentorange.org/RL34761_200905.pdf