農業と食料について現在の多くの議論に耳を傾けると、「有機」農業を支持する人と、「従来」の農業を支持する人との2つの陣営だけで、それらの間には共通基盤がないように思えます。

しかし、多くの「有機」食品は、実際は従来の農法を用いて栽培されているのが現状です。しかも多くの「従来」の作物は、有機農業生産者が考えた栽培手法からベネフィットを受けています。掘り下げていくと、現実は思ったより複雑で、しかも可能性を秘めています。


有機と「有機」の違い

この言葉の最もオーソドックスな定義によると、ほぼどの食品も有機になります。ウェブスター辞典によると、有機とは、単に「生命体に属する、生命体に関する、あるいは生命体由来」を意味するにすぎません。

食料品店で「有機」という食品ラベルを見かけたら、それは別の意味があります。その意味は、化学合成農薬や化学肥料の助けを借りずに栽培され、かつ遺伝子組換え生物または化学食品添加物を用いることなく生産された食品のことです。

本当の違いはあるのか?

偽りのない唯一の回答は、場合による、になります。特定の農薬、技術または添加物なしに栽培された食品を希望する場合には、明らかに「有機」のものを選ぶ かもしれません。

ただし、圧倒的な科学的証拠によると、食味、栄養と安全性の点では、「有機」作物と「従来」の作物の間に意味のある違いはないことが示されています。

どちらか一方を支持する際の問題

「有機」か「従来」の作物かについての議論で最大の問題は、食品の生産方法には「良い」方法と「悪い」方法の2つしかないように示されていることです。現状は大いに違っています。

「有機」の表示がある野菜の中には、食料品店から何千キロも離れたところにある大農場で栽培されたものがあります。地産地消に配慮するなら、例えばカリフォルニアで栽培された「有機」のレタスと、あなたの自宅から75 km離れた場所で栽培された「有機」ではないレタスとではどちらが良いでしょうか?

共通基盤

おそらく最も重要な問題は、必要な土地、水およびエネルギーの量を減らしながら健康的で栄養素に富む食品の生産を増やすのに最善の方法は何か、ということでしょう。私たちが直面する課題に本当の意味で取り組むには、複数のアプローチが必要です。