おそらく、バイオテクノロジーという「新しい」分野について知っておくべき最初のことは、それほど新しいものではないということです。実際、何千年もの間、存在してきました。

もしこれで驚かれるとしたら、たいていの人は「技術(テクノロジー)」という言葉を聞くと、機械のことを思い浮かべるからでしょう。しかし「技術(テクノロジー)」とは、道具(ツール)の別の言い方にすぎません。そして何千年にもわたって、人類は問題解決のツールとして生命体を使ってきました。


初期のバイオテクノロジー

バイオテクノロジーの初期の一例は、ビールやパンを作るための酵母の利用です。そして20世紀初頭には、研究者たちは、世界で最も広く使われている抗生物質の1つであるペニシリンの製造に使われるカビを発見しました。

では、何が変わったのか?

過去数十年、科学によって植物と動物の遺伝的“暗号”の多くを解明することが可能になりました。例えば、背丈が高くなったり、水の利用量が少ないなどの形質を割り出すために、トウモロコシを交配する代わりに、トウモロコシの遺伝子地図でこれらの形質を正確に特定することができます。次に、正しい遺伝子を単離して、別の植物に導入し、私たちが必要とする有用な特性を持つ植物の新世代を作り出します。

精度と時間の問題

人類の歴史を通して、従来の育種は主に試行錯誤の状況でした。植物育種家は、どの形質を進めるかについて経験や知識に基づいて推測するために、何百、或いは何千もの組み合わせを試しました。当然ながら、これは時間がかかるプロセスです。

バイオテクノロジーを用いれば、植物科学者は、望ましい形質を正確に特定して、何千世代もかかるかもしれない植物育種を省略することができます。つまり、農業生産者は改良種子をより早く手にすることができ、私たち皆がより良い食料を手に入れることができます。